1.研究テーマ
文字や数字から生まれる色彩イメージを可視化する
私たちは日常の中で、言葉から特定の色を思い浮かべることがある。本研究では、そうした言葉と色の結びつきに共通したイメージが存在するのかを調査し、その結果をデータビジュアライゼーションとして可視化した。単なる色の集計ではなく、人々の感覚や認識がどのように共有されているのかを視覚的に捉え直し、言葉と色が織りなす共感覚的な体験を表現することを目指した。
2.背景・問題意識
言葉と色の関係に潜む共通認識
私たちは日常生活の中で、「りんごは赤」「空は青」のように、言葉から自然と色を思い浮かべることがある。しかし、その色のイメージは個人の経験によるものなのか、それとも多くの人に共通する認識なのかは明確ではない。言葉と色の関係は感覚的に語られることが多く、その傾向を客観的に捉えた表現は少ない。本研究では、言葉から連想される色を収集・分析・可視化することで、人々の間に共有される色彩イメージや、その特徴について考察を行った。
3.問い
言葉から連想される色は共有されるのか
本研究では、「言葉から連想される色は、人によって異なるのか、それとも共通する傾向があるのか」という問いを設定した。また、具体的な物体を表す言葉と、抽象的な概念や記号では、連想される色彩に違いが生まれるのではないかと考えた。アンケート調査を通して得られた回答をもとに、言葉と色の関係性や、その傾向にどのような特徴が見られるのかを検証することとした。
4.表現方法
データを体験へと変える映像表現
本作品では、アンケートによって得られた言葉と色のデータを、モーショングラフィックスを用いて映像化した。回答結果を色彩分布として可視化するだけでなく、グラデーションやアニメーションによって色の広がりや変化を表現し、鑑賞者が直感的に違いを感じ取れる構成とした。また、タイポグラフィやミニマルなレイアウトを取り入れることで、研究結果を視覚的な体験へと昇華し、言葉から生まれる景色を表現した。
5.今後の展開
共感覚表現のさらなる可能性
本研究では、10種類の言葉を対象として言葉と色の関係性を可視化した。今後は、対象となる言葉や回答者数を増やすことで、より多様な色彩イメージや傾向を比較・分析したい。また、色だけでなく音や質感、形といった異なる感覚との結びつきにも着目し、共感覚を多角的に表現する映像へと発展させることを考えている。データの可視化と映像表現を組み合わせることで、感覚を新たな視点から捉える体験へとつなげていきたい。
企画・制作
三上舞子
三上舞子
使用ソフト・ツール
Adobe Illustrator / Adobe After Effects
参考文献・参考作品
「香の譜」- WOW
協力
映像学科3年の皆さん