1.研究テーマ 
日本語と英語の映像表現の比較
本研究は、言語が異なると映像表現にどのような違いが生じるのかを探るものである。同一の内容を示す、大学の広報映像を日本語版と英語版で制作し、両者を比較することで言語ごとの文化や構造体系の違いが、映像におけるレイアウト、フォント、可読性、モーションにどのような影響を与えるのかを具体的に検証した。単なる翻訳では捉えきれない、言語ごとに最適な表現方法を、実際に制作することで明らかにすることを本研究の目指すところとした。
2.背景・問題意識 
多様化する受験生の国籍
近年、海外から日本の大学への関心が高まっており、日本語以外での情報発信が求められている。しかし、現状の大学広報映像の多くは日本語を前提として制作され、英語版は映像表現のスタイルは変えることなく、字幕を英語に差し替えるのみの場合が多い。果たして同じ内容を英語化するだけで十分に伝わるのか、それとも映像表現そのものを言語に応じて設計し直す必要があるのか、という疑問から本研究は出発した。この違和感から本研究における制作を進めることとなった。
3.問い
言語の違いは映像表現をどう変えるか
日本語と英語という異なる言語で同じ内容を伝えようとしたとき、映像表現には具体的にどのような違いを生じさせるのか。文字数や情報量の差はレイアウトや表示時間にどう影響するのか。漢字/ひらがな/カタカナとアルファベットという文字の構造体系の違いは、タイポグラフィやモーションにどのような可能性や制約をもたらすのか。これらを問いとして設定し、実際に映像を制作しながら比較・検証を重ねることで、その答えを探っていくことを本研究全体の目的として位置づけた。
4.表現方法
日英二種のプロモーションビデオで比較・検証をする
グラフィック要素を最小限に抑え、タイポグラフィを主役とした約30秒のオープンキャンパス用PVを日本語版・英語版の二種類で制作した。同一の内容を扱いながら、タイミング、レイアウト、フォント、モーションはそれぞれの言語特性に合わせて個別に調整を重ねた。日本語版では漢字の構造や縦書きを活かした演出を、英語版ではフォントウェイトによる強調や単語単位のモーションを取り入れながら、言語ごとに最適な表現方法を模索した。この過程で多くの気付きを得ることができた。
5.今後の展開
異なる言語で同じ印象を届けるために
本研究を通じて明らかになった、言語ごとに適した表現方法を踏まえ、今後同様の映像を制作する際にも、日本語版と英語版で同じ印象を与えられる表現を選択できるようにしたい。日本語の構造や縦書きなど、日本語でしか成立しない表現に安易に頼るのではなく、両言語で等しく成立する表現の在り方を探る。また、より多くの母語話者からのフィードバックを取り入れて、文法の正確性や可読性を改善するとともに、言語の差し替えをより効率的に行える設計手法も今後さらに追及していきたい。
企画・制作
佐藤 亜美

使用ソフト・ツール
Adobe After Effects

参考文献・参考作品

Every product carbon neutral by 2030 | Apple
https://youtu.be/66XwG1CLHuU?si=J3KEiJ67p7JprCNa

音楽人5,000人が選ぶのは、どの歌だ。 | MUSIC AWARDS JAPAN 2026
https://youtu.be/9ltHtXPc_zo?si=FBp2-t5elq7gjDnj

文部科学省(2026)「日本人学生の海外留学状況」及び「外国人留学生の在籍状況調査」について(2026年7月11日閲覧)
https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/ryugaku/1412692_00003.htm

協力
・Matthew Philip Holmes(英語版表現におけるフィードバック)


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