1.研究テーマ
身近な空間に存在する動きと変化の可視化
私たちは普段、街の風景や身の回りの動きを何気なく見ている。しかし、それぞれの現象には異なる速さや周期があり、それぞれ独自のリズムを持っている。私は、こうした日常の動きや変化を「リズム」として捉え直すことで、普段見慣れている風景にも新しい見方を与えられるのではないかと考えた。そこで今回の研究では、日常に潜むさまざまなリズムを可視化し、何気ない風景の中にある構造や面白さを発見できる表現を目指した。
2.背景・問題意識
身近なリズムを可視化し、新たな視点から日常を見つめ直す
日常空間にはさまざまなリズムが存在していることに着目した。しかし、私たちはそれらを個別に意識することは少なく、一つの風景として無意識に受け止めている。そこで、それぞれのリズムを抽出し、映像表現によって可視化することで、普段見慣れた空間の中に潜む規則性や変化を浮かび上がらせ、新たな視点から空間を捉え直すことができるのではないかと考え、この作品を制作した。そして、日常に潜むリズムの存在を感じてもらうことを目指した。
3.問い
可視化することで特徴や関係性をどのように捉えることができるか
私たちは日常の風景を一つのまとまりとして認識しているが、多様なリズムが重なり合って存在している。それらを個別に抽出し、映像として可視化することで、普段は意識されない規則性や重なり、空間の新たな表情を発見できるのではないかと考えた。また、それぞれのリズムを比較することで、空間を構成する要素同士の関係性や、その場ならではの特徴についても捉えられる可能性を探った。さらに、空間の見え方の変化についても考察した。
4.表現方法
ビジュアルから実写への移行
本作品では、抽出したリズムを段階的に変化させながら表現している。まず、リズムを点や線などによるモーショングラフィックスとして可視化し、次に環境音を加えることで、それぞれの特徴やテンポをより明確に伝える。その後、リズムの元となった現象を実写映像で提示することで、抽象表現と実際の動きを結びつける。最後に、一つの空間から抽出した複数のリズムを組み合わせ、個々の現象ではなく、さまざまなリズムが重なり合って成り立つ空間全体の表情を表現することを目指した。
5.今後の展開
リズム表現の発展と可能性
今後は、本作品で制作したリズムの可視化表現を基盤として、より多様な空間や現象へ応用し、表現の可能性を広げていきたいと考えている。また、今回の制作では3つの空間に着目したが、異なる環境や時間帯によって生まれるリズムを取り入れることで、より複雑で豊かな空間表現につながると考えている。さらに、抽象表現・実写映像・音の関係性を深め、鑑賞者が普段意識していない日常の変化や特徴に気づくきっかけとなるような映像表現へ発展させていきたい。
企画・制作
伏貫珠生
伏貫珠生
使用ソフト・ツール
Adobe Illustrator/Adobe After Effects
参考文献・参考作品
もじグラフィー/デザインあ https://tha.jp/9498